齋藤友治医師 フィジーで被爆兵士の診察開始
静岡民医連・浜松佐藤町診療所長の齋藤友治医師がフィジーに被爆兵士の健康調査のために派遣されました。現地のテレビや新聞でも大きく取り上げられ、話題になっています。
2002年5月14日 日本原水爆禁止協議会担当者からの速報
被爆問題専門家の日本の医師と広島の被爆者を含む5人の日本原水協代表団が、フィジー核実験被害者を援助しに来たと、連日テレビや新聞で取り上げられ話題になっている。
5月11日にフィジーの伝統に従って歓迎会が行われ、診察を受ける予定の被害者とその家族80〜90人が集まった。その模様がテレビで報道され、齋藤医師と米内さんのインタビューも放送された。フィジー放送で、6時と10時のニュースで2回、8分ほどずつ。最もよかったのは、この機にマスコミがフィジーの被害者の問題を当時の写真なども含めて報道し、この問題を幅広く知らせることができたことである。
日本の医師への期待は大きく、本格的な診察が今日(5月13日)から始まったが、朝から太平洋問題資料センター(PCRC)の事務所がいっぱいになるほど、被害者とその家族が押し寄せ、今日は朝から夜まで約25人を休みなく診察した。彼らは、生存者100人のうち健康調査に応じている75人で、全身を診察してほしいと言っている。
被害者の年齢は、60〜75歳くらいで出ている症状は成人病と変わりないが、共通している点として実験後目を悪くした(よく見えない、近視になった)、喘息になった、関節炎、皮膚のかゆみなどが目立つ。
問題点としては、放射性降下物がどこに降ったのか、汚染除去作業をした所にどれくらいの残留放射線があったのか、爆発地点からの距離など、実験と放射性汚染に関する情報、科学的データが何もないことである。イギリスが明らかにしていないらしい。放射性降下物にどの程度さらされたのか(元兵士たちはなかったと言っているが、本人たちには知るすべがなかった)、現地の食べ物については量の違いはあれみんな食べている(6ヶ月〜1年)。水は飲み水として淡水化していたものを飲んでいたそうだ。体内被曝は大いにしていることは明らか。明日も一日30人ぐらい診なければ終わらない。子どもや孫も連れてきて、18歳なのに小学生ぐらいの背丈の子どもや、30歳なのにまだ成長している2メートルぐらいある青年などが来ていた。
フィジーの被害者たちは、齋藤医師の診断の結果を自分たちの健康調査に加え、フィジー政府に対し報告を出し、さらなる医療調査の必要性やイギリスへの補償要求を求める一歩にしたいと思っている。因果関係を特定することはそんなに簡単ではないとこちらは主張しているが、彼らの期待に圧倒されそうな毎日。
ひとり一人の被害者は齋藤医師に診察してもらい、現在は大丈夫ということを伝えたり、助言を受けるだけでとても嬉しそうで感謝している。ここでは健康診断などは行われていない。部屋の外には列をなして診察を待っている。
PCRCも被害者を支援してきた団体として、大いにマスコミに登場しプレスリリースなども出て、この問題が植民地主義に根ざした問題であり、人権問題であること。そしてこの機に、太平洋非核化、非軍事化、独立の強化を訴えている。
5月15日には南太平洋大学で「広島からフィジーへ。核時代の被害者は告発する」との集会を開く。木村さんが日本の反核運動について、米内さんが被爆体験、横山さんが日本の米軍基地問題でそれぞれ発言する予定。
現地新聞の報道より(抄訳)
「退役核兵士のたたかいを応援する日本人」
1950年代後半、クリスマス島で行われた水爆実験で被爆した兵士が、訪問中の日本代表団の診察を受けている。
1957・58年グラップル作戦に参加した約100名の元兵士たちが、放射性医療の専門家齋藤友治医師、広島の被爆者、3人の反核平和活動家を歓迎した。太平洋問題資料センター(PCRC)は声明の中で、クリスマス島実験で被爆した元兵士は約300名おり、うち200名が死亡していると発表した。
フィジー核実験退役兵士連合は、この問題をハーグのヨーロッパ人権法廷に提訴し、イギリス政府から家族に適切な補償がなされるようにしたいと考えている。核実験に参加した多くの兵士が、さまざまな健康上の問題を抱えており、彼らはその原因がイギリスが太平洋のクリスマスとモールデン島で行った9回の大気圏核実験にあると考えている。
フィジー退役兵士のほかに、イギリス・ニュージーランドスコットランドの退役兵士も同じ行動に出ている。PCRCによると、イギリス政府はこれまでのところ実験により生じた健康上の問題に対する倫理的、法的、財政的責任をいっさい拒否している。
齋藤医師らの活躍を報道する現地の新聞
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